高配当株

配当利回り4%超えの日本郵政は買いか?魅力的だがリスクもある銘柄

日本郵政株の配当利回りが上昇しています。

8/3日現在で配当利回り4.8%の高利回りです。

7月に入ってから下降トレンドとなり、1か月で約15%も株価が下落しています。

特に何かの材料が出たわけではありませんが、かんぽ生命の不正販売などが下げに拍車をかけているのでしょう。

今のままでは縮小が目に見えている企業ではありますが、配当利回り4.8%は捨て置けないので分析してみます。

日本郵政の配当推移・配当性向を確認

日本郵政は2015年11月に上場しました。

当時はその話題で持ちきりでしたから今でも記憶に新しいのですが、もう4年も経つのですね!去年ぐらいの感覚でした(笑)

3月決算の企業なので、以下は2016年3月期からの推移となっています。

配当金・配当性向

2017年3月期はトール社(子会社)の減損損失を約4,000億円計上しているため、最終赤字となり配当性向は算出できませんでした。
2018年3月期は普通配当50円に加え、郵政民営化10周年を記念として7円の特別配当を実施しています。

2018年の特別配当の7円を除外すると、基本的な配当は2017年から50円の一定のようですね。

2020年3月期も1株配当50円の予想が発表されているので、これ以上配当性向を上げる考えは無いようです。

配当性向50%ほどを目途と見ているのではないでしょうか。

利益が急増する企業ではありませんから、当分は増配したとしても数円レベルの低い増配率で推移することが予想されます。

配当利回り推移

2015年12月から3か月ごとの終値ベースで配当利回りをまとめてみました。

  1. 1株配当50円になってから配当利回り4%前後で推移
  2. 2017年6月~2018年3月は1株配57円のため利回りが少し高い
  3. 現在の利回りは過去と比べても高利回りとなっている

 

2016年3月までは1株配を25円で計算しているので利回りは低いですが、1株配が50円になってからは配当利回り4%前後で推移していました。

しかし、2019年7月に株価が15%も下落したことで現在は過去最高の配当利回りとなっています。

配当利回り5%の大台に乗る日も近いのかもしれません。

日本郵政の業績を確認

2017年3月期は多額の減損を計上しているので赤字となっていますが、
他の年ではどのような経営成績となっているのでしょうか。

業績の推移

2017年3月期は若干の赤字のため、小さすぎてグラフが表示されていません。

売上高は縮小傾向、そして利益率は2017年を除いて3%台と低めのようですね。

売上規模が縮小することはもちろん以前から分かっていたことなので、何か新たな施策を打たねば厳しくなることは目に見えています。

利益についてはすこし減少していますが、特に気にするほどではありません。

しかし、売上が減少すれば利益もそれに追随するのでこのままでは利益面でも悪化するのは時間の問題でしょう。

売上の縮小ペース

売上高(億円) 前年比増減率
2016 142,575
2017 133,265 ▲6.5%
2018 129,203 ▲3.0%
2019 127,749 ▲1.1%
2020 118,800 ▲7.0%

売上の縮小ペースを表にしてみました。

ここ数年の売上高は前年を一度も上回っていません。

6%減収や7%減収の年もあるので私が予想しているよりもペースが速く、正直びっくりしました。

例えば前年比で7%の減収が見込まれるのであれば、単純に株価が年7%下落するポテンシャルを秘めているということです。

もちろんタイミングや期待値などによっても異なるので一概には言えませんし、
日本郵政の場合は毎年7%の減収といったわけではありませんが、注意は必要でしょう。

日本郵政のリスク

日本郵政のリスクは大きく分けて2つあると考えています。

  1. 規模縮小により減配となる可能性が高い
  2. 政府の売却

①規模縮小により減配となる可能性が高い

日本郵政の売上規模は先に挙げた表のように年々減少しています。

下落は2020年3月期も止まらない予想で、起死回生となる施策は今のところ出ていません。

減収が止まらず利益維持が難しくなる。

→利益を出せなくなると、当然配当の財源となるキャッシュが確保できない

→配当性向は高くなる且つキャッシュ不足で減配は必須

→元々業績悪化企業&減配で大きく売られる

簡単なことですが、日本郵政はこのような悪循環に陥ろうとしています。

今の業績と株価で考えると購入してはいけない水準だとは思いませんが、売り時は考えなければならない銘柄だと私は思います。

②政府の売却

日本郵政株は現在、政府が発行済み株数の50%以上を保有しています。

しかし、郵政民営化法で一定数の株式の売却は必須となっています。

つまり、発行済み株数の33.3%以上は保有しなければいけないけれども、そこまでは早めに売却しなさい。といった法律です。

後々売却することは決定しているのですが、この理由以外にも政府は日本郵政の株式を売却する必要に迫られています。

東日本大震災の復興財源です。

既に政府は2回に渡る売り出しを2015年11月から開始し、約2.8兆円を確保しています。

売却回数 調達金額 発行済み株数に対する割合
一次売却 1.4兆円 19.5%
二次売却 1.4兆円 23.6%

 

そして、現在は第三次売却を検討しています。以下は日本経済新聞からの引用です。

 

政府は2011年に起きた東日本大震災の復興財源として、郵政株売却で4兆円を確保する計画だ。法律では22年度が期限で、すでに2度の売却で約2.8兆円を調達した。今回の第3次売却が最後となり、1.2兆円の売却額を見込んでいる。
45億株の発行済み株式のうち、現在の政府保有は約25億5900万株。第3次売却で約10億5900万株を売却し、発行済み株式のうち3分の1強へと保有比率を下げる。
(日本経済新聞7/31-郵政株、9月売却困難により引用)

 

市場ではこの第3次売却は2019年の9月に行われるのではないかと見られていましたが、7月の大幅下落で先送りされそうです。

予定通りの1.2兆円を確保するためには、最低でも1,133円以上の株価で推移している必要があります。

1.2兆円÷10億5900万株=株価1,133.14円

割引率を考慮すると1,150円以上は欲しいところです。

しかし、現在の日本郵政の株価は1,052円。これでは予定の1.2兆円の確保などできません。

いつの売却になるのかはまだ分かりませんが、10億5900万株という莫大な量の株式が放出されることは確定しています。

市場外で売却されたとしても需給の悪化を招くことが予想されます。リスクとして充分に警戒しておくべきでしょう。

 

日本郵政の基本データと株価推移

基本情報

株価 1,052円 PER 10.1倍
時価総額 47,340億円 PBR 0.31倍
1株配当 50円 権利確定月 3・9月
配当利回り 4.8% 株主優待 なし

 

PBRが0.31倍と低い水準にありますね。PERも10.1倍と市場平均に比べれば低いですし、指標だけで見るならば割安と言えるかもしれません。(あくまで指標だけで見るならですが。)

株価推移

ヤフーファイナンス-日本郵政株価チャートより

2015年11月に上場してからの株価チャートです。

上場してすぐは少し上がったものの、2016年以降は一向に上がっていませんね。

上場してわずか2か月程度で初値を下回り、現在もさらに掘り下げている状況です。

さすがにそろそろ下げ止まるのでは?といった中途半端な買いが上昇の足かせとなっている典型的なチャートです。

ただ、このままでは政府も日本郵政の株式を売却できませんから、何としてでも吊り上げてくる可能性もあります。あくまで可能性の話ですが。

 

まとめ

日本郵政は配当利回り4.8%の高配当株です。しかし、

  1. 規模の縮小による減配の可能性
  2. 政府による売却

この2つのリスクがあることを忘れてはいけません。

既に配当性向が50%付近に達しているのもリスクと考えると3つとも言えるかもしれません。

配当利回りとリスクを考慮していくらで購入するならば割りにあっているかを考えたいところです。

現在の株価である1,052円からそこまで大きく下げるとは考えにくいですが、900円台になれば私も買いを検討したいと思います。それでは!

 

 

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