高配当株

日本たばこ産業(JT)への投資はすべき?減配しなければ良いは本当なのか

JTが2月6日に2019年度の本決算を発表しました。

結果は減収減益そして増配ストップという内容になっています。

市場では業績が悪くても配当金が減配しなければそれでよい!
などの声がありますが、本当にそれが正解なのか考えていきたいと思います。

2019年決算の内容

2019年度決算レポート

日本たばこ産業-2019年12月期決算説明資料より

 

【簡単に説明】

  • 売上収益 ▲1.8%
  • 営業利益 ▲11.1%
  • 配当金は前期据え置き

減収減益、連続増配は16年でストップすることになりました。

日本たばこ産業-2019年12月期決算短信より
当期包括利益は買収により実際の前期比増減とはかけ離れたものになっているため、親会社に帰属する当期純利益までで判断することをお勧めします。

決算の内容は悪いの一言ですが、もちろんそれは以前から分かっていたことですので特に印象深い内容ではありません。

縮小するたばこ産業ですから、今後も同じように減収減益となっていくでしょう。

 

2020年の予想

日本たばこ産業-2019年12月期決算説明資料より

 

2020年の企業予想では売上収益が0.2%増加する見込みとなっています。

近年は医療事業の買収に力を入れていますから、その分が上乗せされているのかもしれません。

一方利益ベースでは営業利益で▲6.2%減少、当期純利益で▲12.4%減少の予想となっています。

女性投資家
女性投資家
私もJTに投資を考えているけど、結局業績が心配なのよね~
サイト管理人
サイト管理人
そうだね、業績は今後も悪化することはほぼ間違いないと思うよ。それを前提として立ち回ることが重要だね!

 

今回の決算発表のポイント

日本たばこ産業-2019年決算説明資料より

 

今回のポイントは何といっても連続増配がストップしたことでしょう。

16年も続けてきた増配をストップしたことの印象は投資家にとって大きいはずです。

JTの配当金について

配当推移

2015年度は、飲料自販機オペレーター事業子会社の当社株式等の譲渡及び当社飲料製品の製造販売事業の終了に伴い、飲料事業を非継続事業に分類しております。非継続事業を含めた連結配当性向は43.6%となります。

現在の株価は2,301円なので配当利回りは6.69%!
魅力的な利回りです。

  • 2019年配当性向78.6%
  • 2020年配当性向89.6%

2020年の業績予想で紹介したように、当期純利益が2019年比でマイナスとなっています。そのため配当金額は同じでも配当性向が高くなっています。

女性投資家
女性投資家
配当性向がびっくりするぐらい高いわね・・・。
サイト管理人
サイト管理人
そうだね、さすがに利益の89%を配当に回すのは無理があるよ
女性投資家
女性投資家
あっ!でもほら!たばこ産業は設備投資が必要ないから配当性向を高くできるのよね!?
サイト管理人
サイト管理人
このまま設備や新規事業に投資せずに縮小するのを眺めるだけなら確かに資金は必要ないね。

たばこ産業は多額の設備投資を必要としていないことは事実です。

実際にJTをはじめ、ブリティッシュアメリカンタバコ(BTI)は配当性向70%ほど、アルトリアグループ(MO)は配当性向が80%ほどとなっています。

配当性向の問題点

新たな設備投資をしないならば配当性向が高くてもそれほど問題ではありません。

しかしJTは近年、医薬分野へ力を入れ始めており、配当性向の高さはその弊害になりかねないのです。

日本たばこ産業-業績・財務ハイライトより

赤枠で囲った医業事業は年々売上高を増加させており、縮小するたばこ事業からシフト転換しようとしている様子が伺えます。

ただし、現状ではJTの減収減益体質を変えるような事業には育っていません。医薬品事業は全社売上高の5%程度しかありませんから、業績への影響は軽微でしょう。

つまり、大規模な設備投資もしくは企業買収が必要になることは明白です。(もし本当に医薬品事業を主軸にするならですが。)

そこで邪魔になるのが高すぎる配当金というわけです。

例えば2019年12月期では合計2,700億円も配当金をだしています。

日本たばこ産業-2019年12月期決算短信より

 

JTの業績について

売上収益の推移

日本たばこ産業-業績・財務ハイライトより
  • 2019年 21,750億円(実績)
  • 2020年 21,800億円(予想)

売上高は横ばいになっているように見えますが実態としては2017年2018年といくつか海外のたばこ会社を買収しているのでそれを含めて横ばいになっています。

つまり2014年から2016年と比べると買収の影響を除いた実績では緩やかな右肩下がりになっています。

営業利益の推移

日本たばこ産業-業績・財務ハイライトより
  • 2019年 5,023億円(実績)
  • 2020年 4,710億円(予想)

2018年まではほとんど横ばいで推移していましたが、2019年では2018年比▲11.1%、2020年予想でも2019年からさらに▲6.1%減益となる予想です。

 

JTの株価推移

SBI証券国内株式チャートより

これは2011年から10年間の月足チャートです。

2016年を天井に、2020年現在まで右肩下がりの下降トレンドとなっています。

女性投資家
女性投資家
でもほらっ!
配当金がもらえれば大丈夫だから!!
サイト管理人
サイト管理人
本当にそうかな??

仮に下降トレンドが始まった2016年の1月にJT株を購入したと仮定して配当金でカバーできているのか確認しましょう。

【各年の株価終値推移】()内は前年比

2016年1月 4,661円

2016年12月 3,844円(-817円)

2017年12月 3,631円(-213円)

2018年12月 2,616円(-1,015円)

2019年12月 2,316円(-300円)

2016年1月から4年間でちょうど株価は半値になっています。
その間の配当金を含めて損益計算をしてみます。

下落幅 配当金 年間損益
2016年 ▲817円 130円 ▲687円
2017年 ▲213円 140円 ▲73円
2018年 ▲1,015円 150円 ▲865円
2019年 ▲300円 154円 ▲146円
上記は1株当たりの損益額です。100株保有の場合は下落幅と配当金の両方を100倍するため、年間損益も100倍の損失になります。
サイト管理人
サイト管理人
これでも配当金があれば大丈夫なのかな??
女性投資家
女性投資家
うっ・・・

切り抜いたところが2016年の下降トレンド開始時でしたから、もっと以前から保有している投資家はトータル損益がプラスのかたも多いと思います。

しかし2016年以降に参入した投資家はすべての年において年間の株価下落幅が配当金額を上回っているためトータル損益はいつ購入してもマイナスになります。

 

投資判断

毎年配当金額に株価が下落するJTの購入にはためらいがあります。

2020年の業績予想も減収減益となる見込みでいよいよ株価2,000円割れが射程圏内になるでしょう。

ただし、2016年からの下降トレンドは業績のわりにやりすぎではないか?とも感じます。

おそらく外国資本が抜けているのだとは思うので落ち着くまでは手出しすべきではないとは思いますが、抜けきった後は購入のチャンス!

出来高と株主構成に注目しつつ購入を検討したいと思います。

参考図書