配当&優待実施株

くら寿司の企業分析。配当・優待・業績について分析してみた

以前にスシローの分析記事を紹介しましたが今回はライバル企業であるくら寿司について紹介します。

スシロー(3563)の配当・優待について。業績の安定成長も魅力的回転ずしチェーン国内トップシェアのスシローGHの分析です。 たまにスシローに行くのですが土日はもちろんのこと平日の夜も人が多く、い...

スシローは元気寿司と提携したこともあり規模感ではくら寿司を圧倒していますが、投資家からの人気ではくら寿司も負けてはいません。

業績の成長性はスシローに劣っていますが何より財務の健全性とキャッシュ量がすばらしい!

ぜひご検討ください。

女性投資家
女性投資家
あなたはスシロー派?くら寿司派?
サイト管理人
サイト管理人
スシローだよ。
女性投資家
女性投資家
・・・。

 

くら寿司の業績について

まずは業績から見ていきます。

高成長といったわけではありませんが、着実に売り上げを伸ばしてます。

売上高・増収率について

売上高・増収率推移

国内外に約500店舗を構えるくら寿司の売上高は2020年予想で1,441億円となっています。

グラフに記載されている2015年から継続して右肩上がりの成長を遂げており、2016年~2018年に至っては約8%の前年比増収を遂げています。

飽和状態になりつつあると言われている飲食業界で8%の増収はなかなかできることではありません。

ただし、飲食企業の中には出店を繰り返すことで売上を良く見せている企業もあります。
売上が伸びているからといって過信することなく、月次情報も後で紹介するのでしっかりと確認しておきましょう。

経常利益・増益率推移

経常利益・増益率推移

 

2015年~2018年はおおむね売上の推移と変わりはありません。

しかし2019年!なんと▲19.9%の減益!!

この原因について調べてみたものの、原材料費や人件費の高騰化などといったありきたりな原因しか説明がありませんでした。

それだけの理由で19.9%も減益になるはずがありません。

  • 売上の大幅減少
  • 前期が特殊要因により大幅増益

などの理由があれば話は別ですが、前年と比べて売り上げは2%増加していますし、2018年だけ特段利益が多かったわけではないですから必ず他に理由があるはずです。

大幅減益の仮説①新サービスの開発・運用費

2019年7月にはお客様の利便性を向上するために、スマートフォンを使ったサービス「スマホdeくら」を開始いたしました。

座席を時間指定予約できる「スマホde予約」、お客様のスマートフォンから注文ができる業界初の「スマホde注文」、さらに、消費税増税による持ち帰り需要増加対策としてスマホからの持ち帰り注文を可能にした「スマホdeお持ち帰り」などのサービスを開始いたしました。(引用:くら寿司2019年10月期決算短信より)

ソフトウェア関連の開発運用には莫大な費用がかかります。

くら寿司は販管費の詳細を公表しておらず、明確にどれだけの費用がかかっているかは分かりませんが、例えば「システム運用開発費」という名称の科目があったとしても、それに携わった人の人件費は給与に組み込むことができるため明確にどれだけの費用を費やしているかはわからないのです。

ただの仮説に過ぎませんがある程度減益の要因になっていることは間違いないでしょう。

仮説②サイドメニューの人気低下

くら寿司有価証券報告書より-穀類・麺類の仕入れが減少している

上記は2019年10月期(大幅減益となった年)の有価証券報告書の一部です。

魚介類から始まる6つの項目はそれぞれの仕入実績を示しており、注目すべきは穀類・麺類の仕入れが前期比で▲12.6%も落ち込んでいることです。

女性投資家
女性投資家
仕入れが落ちているんだからいい事なんじゃないの?
サイト管理人
サイト管理人
仕入れが落ちているのではなくて、売上が減っているから仕入れる必要がなかったと考えるべきだよ。

くら寿司で使用する穀類・麺類は主にサイドメニューで使用されているはずです。

回転ずしは生鮮食品を取り扱うためどうしても他の飲食業と比べると原価率が高くなってしまいます。お寿司1貫の原価率は平均して50%といったところでしょうか。

その高い原価率を補っているのがサイドメニューです。ラーメンやみそ汁など原価率はお寿司と比べると圧倒的に低いためお店側はサイドメニューを食べてもらったほうがありがたいわけです。

仕入れの減少から分かるようにサイドメニューの人気が無くなってきていることも減益となった理由の1つかもしれません。

 

1株利益(EPS)について

1株益(EPS)推移

ほとんど経常利益に伴った増減をしています。

飲食業界は出退店や店舗の減損損失を出すことが多いのでEPSが大幅にぶれることも珍しくないのですがくら寿司は比較的安定しているほうと言えるでしょう。

 

既存店月次の推移

くら寿司月次推移
上記資料は年度ベースで記載されているため、赤枠の2018は2019年10月期のことを表し、2019は2020年10月期(進行期)を表しています。

赤枠の2019年10月期は特にひどいものでした。既存店売上高で前期を上回ったのは5月のみ!!

客数は特に19年10月期が深刻で、12カ月すべての月が前年割れとなった。これは、今年2月に世間を騒がせた、アルバイト店員が業務中に悪ふざけした動画が交流サイト(SNS)で拡散する「バイトテロ」が大きく影響したと考えられる。

動画には、ゴミ箱に捨てた魚をまな板に戻して調理しようとする様子が映っていた。この映像から「ゴミ箱に捨てた魚を客に提供したかもしれないすし店」というイメージが広まってしまった。それにより、客足が遠のくようになったと考えられる。(引用:Business Journalより)

Business Journalさんの記事にも書いてありますが客離れがひどく、客数だけで見ると1度も前年同月を上回っていません。(2019年10月期)

単価を前年よりも高くすることでカバーはできていますが、それでも既存店売上は減少が続いた年でした。

2020年10月期(緑枠)の既存店売上も堅調には見えますがやはり客離れが気にかかります。

客数だけで見ると減少した2019年よりもさらに減少しているので相当現状は悪化しているようです。

 

くら寿司の株主還元について

配当金

1株あたりの配当金

くら寿司は2014年から連続増配ではありませんが、継続して配当金額を上げています。

2年に1度増配しているペースですね。

現在の株価は3,695円なので配当利回り1.08%となっています。

40円÷3,695円=1.08%

優待も実施しているのでまずまずの水準ではないでしょうか。

株主優待について

くら寿司-株主優待より

くら寿司の株主優待は同社の運営する店舗で使用ができる食事券です。

200株以上の保有者に限り優待品と交換できますが、100株保有者の場合は食事券としてのみ活用できます。

優待金額は以下のように設定されています。

保有株数 優待金額
100株以上 2,500円
200株以上 5,000円
500株以上 10,000円

100株の場合、優待利回り0.67%です。

2,500円÷必要取得金額369,500円=0.67%

配当と優待の利回りを合計した総合利回りは1.75%となっており、それほど株主還元が充実しているようには感じません。

 

くら寿司の株価について

SBI証券-くら寿司株価チャートより

2018年夏ごろには一時8,000円台に突入した株価も現在は3,700円弱まで下落しています。

既存店売上の減少をはじめとする業績の悪化が目立ってきているため仕方ありません。

女性投資家
女性投資家
でもさすがにここまで落ちたら割安なんじゃないの?高値から半分以下よ?
サイト管理人
サイト管理人
そうとは言い切れないかもよ?

以下はPERの推移を表したグラフです。

くら寿司PER推移

2015年からの平均PERは24.12倍となっており、現在は20倍弱です。

こう見ると割安に見えるかもしれませんが、現在の既存店売上や既存店客数を見るとそうとも言い切れないでしょう。

ただしあくまで指標ですが、過去の株価の動きを見るにPER20倍弱を下値に反発している傾向があります。

くら寿司のPERはなぜ高め?

配当と優待を実施していてくら寿司の業績ならPER20倍を割り込んでいる現在はめちゃくちゃ高いとは感じませんが、高めではあります。

今後の成長性が期待できるような銘柄ではないにもかかわらずなぜこれほどまで買われているのか私なりに推測してみました。

理由①自己資本比率が高い

くら寿司2019年10月期決算短信より

自己資本比率は純資産(黄色枠)÷負債と資本の合計(赤枠)で算出することができます。

高ければ高いほど負債が少ないことを意味するので良好な財務と言えます。

くら寿司はこの自己資本比率が69%と非常に高いため経営悪化時や企業の転換期で資金を必要とする時でも強く出れることに特徴があります。

サイト管理人
サイト管理人
ちなみにライバル企業のスシローは自己資本比率が34.7%だよ!
くら寿司の凄さがわかるね!!

理由②キャッシュ量がとてつもなく多い

くら寿司2019年10月期決算短信より

くら寿司のキャッシュフロー計算書です。赤枠で囲っている配当金の支払額は株主に支払った配当金の合計です。

2018年、2019年ともに5億9,100万円をしはらっています。

そして一番下の現金及び原研同等物の期末残高を見ると、2018年は164億5,100万円、2019年は209億6,500万円も持っているのです!

これはつまり配当金35年分の資金を手元に置いていることになります。

この資金量の多さは配当維持だけでなく、増配できる可能性も充分にあることを示しているため、業績のわりに買われている理由の1つでしょう。

理由③海外進出への期待

くら寿司は21日、年内に中国に初出店すると発表した。海外での事業展開は米国、台湾に次ぐ3カ所目となる。中国への進出などを通じ、国内外の店舗数を現在の約500店から千店まで倍増する。2030年には3千億円の売上高を目指す。(引用:産経新聞より)

豊富なキャッシュを所有しているくら寿司は海外への大胆な出店計画を発表しています。

2020年10月期の予想売上高は1,400億円ほどですから、10年後に約2倍の3,000億円とは大きくでたものです。

もし実現するなら今の株価は超割安になるかもしれません。もちろん投資家の期待もある程度は株価に含まれているはずです。

 

投資判断

あくまで筆者の判断ですが、くら寿司への投資は現在のところ見送りです。

2030年に売上3,000億円が達成できるならばほしい銘柄ですが、足元の既存店客離れを対処しないことにはそれどころではありません。

ライバルであるスシローの存在も脅威です。

キャッシュ量から今後も増配や優待改良にも期待はできますが、今の株価では欲しいとまでは思えません。

もし私が購入するならば株価2,800円ほどでしょうか。※参考までに。