高配当株

三菱ケミカル(4188)を分析してみた。配当金は魅力的だが・・・。

高配当株を購入したいけどどれも高くて買えない。
そんな悩みは少額で運用している投資家にはつきものです。

三菱ケミカルは高配当株の中でも株価は低く、約8万円で100株を購入することができます。

ケミカルと名前の通り、化学系の会社であるため苦手意識がある投資家は多いようですが、知る人ぞ知る高配当株&優良?企業の1つです。

この記事で分かること
  1. 三菱ケミカルの業績について
  2. 配当&優待について
  3. 株価の推移
  4. 投資判断

三菱ケミカルの業績について

三菱ケミカルは安定した業績が売りの企業です。

しかし2019年3月期は化学業界が全体的に減益となり三菱ケミカルもその影響を受けてしまいました。(総合化学6社中5社が営業減益)

 

それでも基本的にはそれほど大きく変動するような企業ではないので成長性こそありませんが、配当目的の投資なら検討する価値ありです。

化学系は崩れた時のダメージが大きいです。そのリスクを充分に踏まえて投資を検討しましょう。

三菱ケミカルの業界地位

三菱ケミカルの素晴らしさはまずその業界におけるポジション。
なんと総合化学業界において売上高国内トップ、世界で第6位の企業なのです。

三菱ケミカルHD-会社紹介より
順位 企業名
1位 BASF(ドイツ)
2位 DOW(アメリカ)
3位 CHEMCHINA(中国)
4位 SABIC(サウジアラビア)
5位 LYONDELLBASELL(オランダ)
6位 三菱化学(日本)
7位 DuPont(アメリカ)

世界を相手にわたりあえる日本の化学企業は三菱化学ぐらいしかありません。

世界に市場を持っている強みもあります。

売上高推移

売上高・増収率推移

上下はしていますが右肩上がりで推移しています。直近の業績で減益となった年は以下の3年。

  1. 2016年:▲3.1%
  2. 2017年:▲4.7%
  3. 2020年(予):▲4.0%

 

まず2017年と2020年(予想)の理由は同じ。原材料の価格下落です。
化学系は市場の原材料価格の影響を受けやすいので市場の価格しだいで業績がすぐに悪化します。

商社系の企業も同じですが、そういった企業の株は指標では割安で放置されやすくなっていますね。

指標では割安というだけで実際に割安かどうかはまた別です。

そして2016年ですが、IFRSに移行したことが影響しています。

IFRS

IFRSとは国際的な会計基準のことを言います。日本で主に使われている会計基準は以下の2つ。

  1. 日本基準
  2. IFRS

両者の違いは収益・費用の認識方法です。

日本基準では収益になっていたものがIFRSでは収益として認識されていなかったりします。詳しい人が見れば怒られそうなざっくりとした説明ですが、
見た目上の数字が変わるだけで企業の実態としては変わりません。

投資をする上ではIFRSを理解する必要は特にありません。

親切な企業はIFRSに変更した際に、もし日本基準なら業績はどうだったかを載せています。

三菱ケミカルも載せてくれているのでそちらを見てみましょう。

三菱ケミカル日本基準との比較

三菱ケミカルは2015.3月期までは日本基準を採用していました。

2016.3月期は変更の影響を受けるので日本基準とIFRSの両方を掲載しています。

三菱ケミカル-決算説明資料より
すこし前の資料なので2020.3月期が増収予想となっていますが、この資料が発表された後に下方修正されていますので2020.3月期は減収となる見込みです。

左から2番目が日本基準の2016年業績。左から3番目がIFRSの2016年業績です。

企業の実態としては変わらないのに会計基準の変更でこれだけ差があります。

ですから日本基準でみると実際のところ、2016.3月期は4.5%の増収なのですね。

営業利益推移

年度 営業利益(億円)
2015 1,657
2016(日本) 2,800
2016(IFRS) 2,687
2017 2,686
2018 3,557
2019 2,980
2020(予想) 2,410

2016年以降はそれほど大きな動きは見られませんでした。
もちろん売上に連動するのでその上下はあります。

2018年は突出して良く見えますがこの年は化学系に追い風が吹いた年でもあったので、例え2018年の業績を再現するのはこの先も難しいでしょう。

 

三菱ケミカルの株主還元

配当金・増配率推移

配当金・増配率推移

三菱ケミカルは累進配当となっています。
毎年増配をしているわけではないものの、最低でも前年の配当をキープしているところは好感が持てます。

配当利回り

・株価:865円(2019/11/17現在)

・1株配当:40円

・配当利回り:4.6%

現在の株価で配当利回りは4.6%!
市場の平均配当利回りが2%程度と考えると充分な高配当株と言えます。

増配率も悪くありません。

2010年以降は増配していない年が3年ほどあるものの、増配している年だけで見ると最も増配率の低い2015年でも8.3%となっています。

三菱ケミカルの株主優待は?

残念ながら三菱ケミカルは株主優待を実施していません。

最近は株主優待実施している企業が1,500社を超え、過去最高を更新しています。

しかし三菱ケミカルは株主優待を実施する予定は現在のところも無いようです。

 

基本情報と株価

基本情報

株価 865円 1株配当 40円
時価総額 13,030億円 権利確定月 3月・9月
PER 9.37倍 株主優待 なし
PBR 0.89倍

市場の原材料価格に大きく影響を受ける三菱ケミカルですが、PER9.37倍・PBR0.89倍は指標だけで見ると割安に見えます。

株価推移(5年チャート)

SBI証券-国内株式チャートより

2017年末に最高値1,319円をつけたあと下降トレンドを継続しています。

2019年7月あたりから少しトレンドは上向きになっていますが、下降トレンドから脱したと言えるほどではありません。

株価推移(1年チャート)

SBI証券-国内株式チャート

1年チャートでは最安値で株価700円ほどまで下落しています。現在は株価865円なので差安値から見ると20%以上の上昇を見せています。

投資判断

三菱ケミカルは総合化学業界で国内1位、世界6位の売上高となっています。

配当利回りは約4.6%の高水準。残念ながら優待はありませんが株主還元としては充分でしょう。

業績は原材料価格の変動を受けやすいものの、直近では右肩上がりの業績となっています。

 

ここに本文を入力しかし株価は直近の最安値から20%ほど上昇しており、長期チャートで見るとまだ下降トレンドを抜け出しているとは言えません。

そしてPER9倍台となっており、一般的な指標で見ると割安ですが、景気変動・原材料の価格変動を考慮すると割安とは言えないのではないかと思っています。

 

長期的に下降トレンドにある株を購入するのはあまり望ましいことではありませんが、購入するならば

  1. 下降トレンドを脱した時
  2. 大きく下落した時

 

この2つのタイミングが候補にあがるでしょう。

①の下降トレンドを脱した時とは王道の買い方ではありますが、景気変動の影響を受けやすい企業の株をわざわざ値上がりしたタイミングで購入する意味はありません。

もちろん材料や業績次第ではありますが、今の三菱ケミカルは特に材料が出ているわけではないので私ならこの選択肢を採りません。

ですから購入するならば②の大きく下落した時を狙うのが理想です。
あくまで私のタイミングですが少なくとも株価700円台前半まで下落するのを待ちたいと思っています。

※投資は自己責任でお願いします。