高配当株

武田薬品の配当推移・配当性向を確認。シャイアー買収で先行きは不透明

投資家にとってまず第一に企業に求めるのは安全性です。

いくら成長しても倒産してしまっては意味がありません。

そのため投資家は巨額の企業買収を嫌がります。

理由は多くのキャッシュが出ていくのに、ギャンブル性があまりにも高すぎるからです。

しかし、武田薬品はアイルランドの大手製薬会社である”シャイアー”を7兆円という国内企業としては最大のM&Aを実施しました。

神様の声
神様の声
高配当で有名な武田薬品じゃが、今後も配当金を維持できるのか心配なところではあるのぉ~

武田薬品の配当金・利回り推移

配当金・配当性向を確認

武田薬品は8/2現在で配当利回り4.7%の高配当株です。

2019年3月期に続き、2020年3月期の配当予想も同じく180円となっていますが、過去にはどのような配当施策を繰り広げてきたのでしょうか。

(配当金・配当性向推移2009年~)

神様の声
神様の声
配当金が2009年から12年連続で180円じゃと!?

そうなんです。突っ込みどころ満載のグラフとなってしまいました。

グラフから分かる特徴は以下の通りです。(2015年、2020年は赤字のため配当性向を出していません)

  1. 12年連続で配当金は180円(予定)
  2. 配当性向は12年間のうち8年が100%越え(赤字含む)
  3. 2012年以降で配当性向100%以下は2018年しかない

とにかく配当性向が高すぎます。なぜそこまでして配当金を維持しようとするのでしょうか?

なぜ無理な配当を維持するか。答えは外資にあり

配当金を維持する理由は安定株主の獲得のため。もちろんこれは理由の1つで間違いないでしょう。

しかし、それだけの理由にしてはやりすぎです。

気になったので少々調べてみたのですが、
武田薬品は他の製薬会社に比べて外国人株主の比率が高いことが分かりました。理由はこれではないでしょうか。

以下にいくつかの製薬会社の外国人株主の比率をまとめてみました。(データは会社四季報2019年夏号を参照)

企業コード 企業名 外国人株主比率
4502 武田薬品工業 50.7%
4503 アステラス製薬 47.0%
4506 大日本住友製薬 11.5%
4516 日本新薬 30.4%
4523 エーザイ 28.6%
4527 ロート製薬 29.7%
4528 小野薬品工業 26.2%
他にも製薬会社をいくつか確認しましたが、武田薬品の外国人株主比率は明らかに高いです。

日本企業全体として、外国人株主が多くなるほど株主還元を充実させる傾向にあります。

もしこの外国人株主比率の高さが本当に理由だとするならば、外資が抜けるまでは配当を維持する可能性が高いことを意味します。

 

業績・キャッシュフローを確認

配当金はずっと一定なのに、配当性向は大きく上下していました。つまり、業績にムラがあるということです。

キャッシュについてもほとんど業績に連動するのできれいなキャッシュフローだとは思えませんが、高配当株を購入するうえでは確認しなければいけないポイントなので見てみましょう。

まずは業績からです。

業績推移

武田薬品工業-財務ハイライトより参照
  1. 売上収益は横ばいが続いていたが、シャイアーの買収により2019年は微増
  2. 2015年は糖尿病治療薬「アクトス」の賠償で赤字
  3. 営業利益率は2018年以外は1ケタで推移

武田薬品はシャイアーを2019年1月8日付で連結対象としました。そのため、2019年3月決算に含まれた分は2か月程度しかありません。

 

 

旧武田薬品の実質的な売上収益は+5.3%、財務ベース連結売上収益+18.5%

・財務ベースの売上収益は、流通チャネルにかかる武田薬品の方針を旧Shire社にも適用したことに伴い一時的な減収影響があったものの、2019年1月8日より旧Shire社が武田薬品に連結されたことにより、前年同期+18.5%の2兆972億円
{2018年度(4-3月期)の連結業績および2019年度の連結業績予想について}より

 

 

シャイアーの買収で売上収益が18.5%増となっていますが、買収効果を除いても+5.3%の増収です。売上は好調のようですね。

利益面について
シャイアーの買収で費用も追加計上することになりました。
決算を見るに旧武田薬品の費用はそれほど膨らんでは見えませんでしたが、買収に伴う経営効率の悪化、買収費用の計上による影響が大きいようです。

まだ買収してから2か月程度の業績ですから、何とも判断できませんが、収益が立っている間は特に問題視するレベルではなさそうです。

キャッシュフロー推移

武田薬品工業-財務ハイライトより

とんでもないグラフになっています。

2019年3月期の動きが多きすぎて、それまでの年がどうでもよく見えます(笑)

2019年3月期にシャイアーを買収しているので、投資CFのほとんどがシャイアーの買収によるものです。

財務CFが大きく膨らんでいるのはその財源確保のために借り入れと社債発行を行ったからですね。

長期借入と社債発行で約2兆8,000億円を調達しています。配当投資家にとっては痛い資金繰りとなっています。

財務面だけでみるならばいつ減配になってもおかしくは無い状況なのです。

武田薬品の基本情報とリスクについて

基本情報

株価 3,867円 PER 算出不能
時価総額 6兆957億円 PBR 1.16倍
1株配当 180円 信用倍率 7.05倍
利回り 4.7% 優待 なし
2020年3月期は一時的に買収費用が大きくかかってくるため、赤字で着地することが予想されています。
そのためPERは算出不能となっています。

 

株価推移(10年チャート)

過去10年間の推移をみると、現在は安値圏にあるように見えます。

2018年1月の下落はTiGenix社の買収を発表した直後ですね。

ただでさえ配当性向が100%を超えていた時期ですから、2018年1月時点で6,500円ほどあった株価が1年もしないうちに3,000円台まで売り込まれてしまいました。

今回の買収発表でそれほど下げなかったことを見ると底なのかな?と楽観視してしまいそうになります(笑)

武田薬品のリスクをおさらい

リスクまとめ
  1. 配当性向は100%超えが当たり前になっている
  2. シャイアーの買収により、キャッシュが悪化
  3. 業績の先行きが不透明
  4. 3兆円超えののれんを償却しなければならない

のれん償却はキャッシュを必要とするわけではないので、配当金に与える影響はそれほどないと考えられます。

しかし、3兆円超えののれんともなると決算の数字として与えるインパクトは大きく、株価が上がりにくくなる可能性もあります。

優良企業でものれんが大きすぎるあまりに株価がずっと割安で放置されている企業もありますから、注意が必要かもしれません。

 

最後に

先日7/31に2020年3月期の第1四半期が発表されました。

営業利益は前年同期比で1,000億円の減益となっていましたが、売上は88.8%の増収となっていました。

営業利益については、シャイアーの無形資産償却1,000億円を行っていますので、丁度その分費用として加算されたのでしょう。

第1四半期発表の翌日は7.4%高となっているため市場は買いの判断をしたようです。

今年は荒れることが予想されるので注視していきたいと思います。それでは!

 

 

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